2018秩父研修④『秩父蒸溜所 ~秩父イチローズモルトの蒸溜窯〜 』
さて続きの、秩父蒸溜所研修レポート④です。
粉砕、マッシング(麦芽の糖化)、発酵ときて
いよいよ蒸溜ですね!
蒸溜窯はスコットランドの老舗ポットスチル製造会社、
スペイサイド地方にあるフォーサイス社銅製の蒸溜窯です。
左側が1回目の蒸留を行うウォッシュスティル、
右側が2回目の蒸留を行うスピリッツスティルになります。
1回目のウォッシュ、だいたいアルコール度数が8%前後、
ホップのきいていないエールビールとかベルギービールとか、
そんなようなイメージの液体が出てきます。
それをウォッシュスティルに入れて蒸留しますと
大体アルコール度数が20度前後、
700~800L程度のローワインという液体に濃縮されます。
それでこのローワインをスピリッツスティルに入れて蒸留しますと、
量で220~230L前後、
アルコール度数で70%前後の無色透明のスピリッツがでてきます。
蒸溜の際は、色々な化学反応が起こるそうです。
そこで大事なのが、こだわりの銅製のスチル!
ウイスキーの場合はポットスティルが
必ず銅でできていないとウイスキーの味になりません!
今は科学的に証明されているそうで、
ウイスキーの蒸気が銅と接触することで銅イオンが出てきて、
ウイスキーにとって不要な成分と結びついて
取り除くという効果があるそうです。
また常に銅イオンが出続けているので、
20~30年くらい使い続けていると
指で簡単に穴が開いてしまうくらい薄くなってしまうそうです。
すごいですね〜。
なので、定期的に修理や交換やメンテもするそうです。
続いて、蒸溜窯の首の部分のアームの形状についてです。
この鶴の首部分のアームが
上向きか下向きかで、味わいが変わります。
上向きですとライトなタイプ、
下向きですとヘビーなタイプになります。
蒸溜の過程で、
もうひとつの化学変化としては、リフラックス。
なんだかややこしいですが、、
還流とか分縮とか、そういったことがスティルの中で起こります。
重い成分がスティルの上部に到達する前に冷やされて
下に落ちることで再度蒸留されて取り 取り除かれるそうです。
どんどん軽い成分が中心になってきて
ようやく十分な軽さになってくれると、
コンデンサーのほうに入ってくれるということが起きます。
それでこのリフラックスがおきやすい形や大きさがあります。
基本的に小さなスティルですと、
リフラックスが少なめで非常にヘビーな味わいになる傾向。
そして、
スティルのサイズが大きいとリフラックスが多くおきますので、
ライトな酒質になる傾向があります。
よって、秩父のポットスチルは
小型のポットスチル+下向きアームなので
重くへヴィーなタイプで、芳醇な味わいを生むとされています。
個性の強い独自な味わいになるように、
玄人向けな味わいを理想に
伊知郎先生は思想・設計されたようです。
と今回も長くなってしまったので、ここまで。
お昼休みなどでブログなどチェックする方は、
これ位がちょうど良いですよね。(笑)
次回も蒸溜の続きになります。
今回の秩父蒸溜所研修は、私も訪問二回目なので
内容の濃いものになっておりますので
もう少しお付き合い下さい。(^^)
さて、Diary今週もお休みなし営業となっております!
宜しくお願い致します!(^^)/
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